【新米林業屋×体験談】機械集材装置運転の特別教育を受けてきました!

林業

機械集材装置運転の特別教育を受けてきました!

『機械集材装置運転の特別教育』という研修を受けてきました。

今回は学科1日、実技1日の研修でした。

機械集材装置とはなんなのか、研修の際に感じたことなどを林業初心者目線で書いていきますので、参考になれば幸いです。

ちなみに研修中は雨だったので、写真全く撮れずでした…。#残念

『機械集材装置』とは

『機械集材装置』は読んで字のごとくなのですが、倒した木や丸太を集める機械、装置です。

その機械を運転するためには『特別教育』という研修を受ける必要があります。

集材機とは

『集材機』は木や丸太を集める機械です。

『架線』を張って荷を吊り上げて材を集めます。

架線の張り方には様々な方法があり、現場の環境によって、あらかじめ架線の張り方を決めておく必要があります。

この『架線の張り方』の選定にはたくさんの経験が必要になるので、この技術の習得だけはどうしても時間がかかります。

集材機はとても大きな機械なので、集材機を一度据えるとその現場の集材作業が完了するまでほぼ動かすことはありません。

機械集材の作業手順

僕自身これから機械集材の現場に入って作業をしていく予定なので、現時点では実際に作業の経験はありません。

ですので、分かっている範囲でのざっくりとした作業手順をご紹介。

ちなみに『機械集材装置運転の特別教育』では「機械装置の設置・撤収」は研修内容に含まれていないみたいです。

・集材方法、架線の設置方法の選定

まずはじめに、『林業架線作業主任者』という国家資格を持った作業員が集材機の設置場所や架線の張り方など、集材の方法を考えます。

『林業架線作業主任者』の国家資格を持った人がいなければ架線を使った作業は出来ません。

あらかじめ架線の張り方を考えておかなければならないのは、架線を張る作業をする前に木を切り倒しておく必要があるからです。

木を切る前に架線を張る作業を行うのはほぼ不可能で、仮に張れたとしても架線が邪魔になって木を切れなくなってしまいます。#あくまで初心者目線で解説しています

架線は現場にある木などに縛りつけたりするので、あらかじめ現場を確認して、線を縛るための木を決めておき、残すと決めた木以外はすべて切り倒すので、後から修正することが困難になります。#切った木は戻せないので

作業方法の選定にはたくさんの知識と経験が必要となります。

そもそも『国家資格』が必要なので、試験に受かる必要があります。#テスト勉強つらそう

僕はまだこの試験を受ける予定はありませんが、面白そうな本があったのでたまに読んでいます。#ひっかけ問題が多い

・作業スペースの確保、伐倒作業

架線作業の選定が終われば、集材機の設置場所や重機の設置場所、材を積んでおくところ、トラックの運搬経路などを作る作業があります。

作業スペースの確保の作業が終わったのちにいよいよ伐倒作業です。

伐倒は木を切り倒す作業です。

木を切るのも闇雲に切るのではなく、集材機の位置、架線の張り位置などを頭に入れておき、木をどの向きで倒せば集材しやすいのか、どこから切りはじめればあとの作業が楽に進むかを考えながら伐倒しなければいけません。#腕の見せ所

・架設作業

伐倒作業が終われば、いよいよ架設作業です。

この架設作業の経験がほぼ0に等しいので多くは語れませんが、とてもしんどい作業だと聞いています。

そして、そのしんどい作業も今では新しい技術により、少しずつ改善されつつあるとの話も聞きます。

時代や技術が変わりつつあるタイミングでこの作業に携われるのは個人的にはいいタイミングだと感じています。

『今まで』の技術であれば、ベテランさんから受け継がれてくるものですが、新しい技術に関してはベテランも新米も『初心者』なるからです。

そうなれば「よーい、ドン!」なのでより早く吸収したもん勝ちになります。#いや、別に競争してる訳じゃないけど

ただ、なんとなくあくまでも僕の感覚の話になりますが、ベテランさんになるほど『新しい技術』に疎くなる傾向があると感じています。

今までのやり方を簡単には崩せなくなるということです。

これは僕自身が『今は』新米・初心者の林業屋ですが、経験を積むにつれて思考が鈍くなってしまうのではないかという不安と、そうなってしまわないように気をつけようという自戒の意味も込めて書いています。

今は『新しい技術』や『新しい経験』というものにアンテナを張り巡らせていますが、この状態をどんなに歳を重ねても維持していきたいと思っています。#架設作業の話じゃなかったですね

・集材機を使って、集材開始

いよいよ、集材開始です。

架設作業には現場の環境にもよりますが、4、5日程度かかるそうです。

ここまでしっかり時間をかけて、やっと集材を開始できます。

今回の研修のメインは『集材機の運転』なので、ここからが研修の本番です。

研修では実際に架線を使って作業をされている現場にお邪魔させていただきました。

架設・撤収は研修内容に含まれていないので、「策張り方法」や「架設の手順」などは詳しくは聞けませんでした。#残念

集材機にはたくさん種類があるので操作方法などもまちまちですが、今回操作したのは、『3胴式』でした。

3胴というのは、ワイヤーロープを巻きつけるためのドラム(胴)が3つありますよってことです。

ちなみにこの現場の工事看板には「3胴エンドレスタイラー式」と書いてあったと記憶しております。

3胴の集材機を使って、「エンドレスタイラー式」という架線の張り方をしてますよーってことですね。

集材機の足元にはクラッチペダルとアクセルペダルがあり、マニュアル車のような感じなのですが、ブレーキペダルはありません。

ブレーキはドラム(胴)それぞれについており、それぞれのブレーキレバーを手で操作するという感じでした。

そしてそれぞれのドラムには「正逆転ギア」がついています。

ワイヤーロープを送ったり、戻したりするためのギアで、それぞれにレバーがついています。

そこに合わせて、「ミッションギア(変速装置)」まであります。

要はレバーがめちゃくちゃいっぱいあります。#受講者全員パニック #苦笑いしか出ない

それを運転席からは見えない場所にいる、山の方で荷をかける作業員からの無線の指示に従いながら操作しないといけないので、操作は難しいし、危険がたくさんある作業ということです。

今回運転を教わった作業員さんがおっしゃられていたのは「言われたようにやればいいので慣れれば簡単ですよ」との事でしたが、その領域に達するまでは相当時間がかかりそうだと感じました。

・撤収、地拵え

木材をすべて出し終えたら撤収作業に入ります。…が、研修でもやりませんでしたし、実際に見たこともないのでここは全く書けることがありません。#すみません #初心者なもので

皆伐作業(作業範囲内の木をすべて切る作業)のあとは、造林作業(新しく苗を植える作業)が待っているので、造林作業をしやすくするために『地拵え(じごしらえ)』という作業があります。

地拵え作業は、皆伐作業の際に出た枝や葉っぱなどをひとまとめにしておく作業です。

この地拵え作業は、皆伐作業を行った作業班がするのか、造林作業を行う作業班がするのか、などは契約内容や企業などで変わるそうです。

このあたりの話を詳しく聞こうと思ったのですが、時間の都合上深く聞けませんでした。

学科教育の際に感じたこと

特別教育は1日目は学科教育、2日目は実技教育という流れでした。

1日目の学科教育ではテキストを使って、集材機や架線作業の一通りの説明を受けます。

特別教育は、「運転をするための修了証を持っていない人」が受けるはずなので、基本的には受講者はみなさん初心者のはずだと思います。#ここ重要

ですが、受講者全員が本当の初心者というわけではなく、全くの林業初心者からベテランさんまで幅広い層が受講します。

研修を行う側(今回は林業センター)の講師の中にはベテラン作業員さんと顔見知りであったり、お互いをよく知っている場合があります。

学科教育の際にとても残念だと感じたことがありました。

授業を行う講師の方が度々「ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが…」と発言していたことです。

発言だけならまだしも、若干説明を省いたり、「受講者全員が知っているもの」として専門用語を乱発していました。#いや、マジでその用語知らん

あげく、「受講者さんの方が良く知っていることと思います」と言った時には、「え?そんな方から学科教育受けて大丈夫?」と思いました。

講師とベテラン作業員さんの関係性などもあるとは思いますが、「研修はフラットに、受講者全員が全く知識がないものとして行った方がいいですよ。」とセンターの方にはお伝えしておきました。#本当に残念でした。と、伝えておきました

こういうケースは少なくないように感じるので、気を付けていただきたいなぁと思います。

ワイヤーロープのつなぎ方

ワイヤーロープは金属のロープです。

素線の本数や形状、ワイヤーのサイズ、編み方など、用途別にたくさん種類があります。

どういった作業に使うのか、ワイヤーロープの強度はどの程度必要なのか、そういった知識を学科教育で教わり、実技教育では実際にワイヤーロープを編みます。

ワイヤーロープもかなり奥が深いので、別記事で書こうと思います。

まとめ

『機械集材装置運転の特別教育』

・集材機の運転がメイン

・学科、実技の2日講習

・架設、撤収作業は無し(これがやりたかった)

・学科では初心者向けに改善してほしい

・ワイヤーロープについて学べる

今回の研修では色々な方と会話する機会があったので、研修以外での収穫もあったと思います。

新しい繋がりが出来たらいいなぁと思っていたのですが、研修内容も濃く、覚える事や質問したいことがたくさんあったので、そちらに時間を使いました。#うん、真っ当な時間の使い方ね

少しでも参考になる部分があれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!ほなまた!!

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