【林業初心者目線】作業道に砕石・砂利を敷くのはなぜ?
どーも、新米林業屋のとておです!
今回は『森林作業道』についてのおはなし!
わからないことがいっぱいです!!
林業の現場では、大きな重機を使って木を切ったり、木を運搬することがあります。
そういった作業をするための道を『森林作業道』といいます。
普段一緒に作業をしている同僚から「作業道に砕石とか砂利を敷く理由ってなんですかね?」と聞かれて、「たしかになんでだろ?」と感じたので、色々調べてみる事にしました。
森林作業道とは
大型のトラックが通行する道として「林業専用道」を、また、主として林業機械が通行する道として「森林作業道」を定めました。これらの道の違いは、接地圧が大きいホイール車両であるトラックと接地圧が小さいクローラー車両である林業機械の通行に対応したものという意味でもあります。
引用:林野庁ホームページ
今回、同僚から受けた「なぜ作業道に砕石を敷くのか」という質問の答えはおそらくここにあるのだと思います。
僕たちが普段「作業道」と呼んでいるのは、『林業専用道』と『森林作業道』をひっくるめた道のことでした。
トラックが通るための道を『林業専用道』と呼ぶのを、今回調べてみてはじめて知ったので、おそらく作業員のほとんどが知らないことではないかと思います。#たぶん
僕は『森林作業道』上で重機作業を行うことが多いのですが、言われてみれば、「車が走行するところ」には砕石などが敷かれているイメージがあります。
「砕石を敷く理由」の答えとしては『車が走るかどうか』だと思いますが、せっかく調べてみたので、他にも色々書いてみます。
森林作業道の作り方
森林作業道の作り方は実際に見たこともやったこともないので多くは語れませんが、非常に奥の深い作業だということは認識しております。
道をつけるというのは、基本的には『山を削る』という行為なので、大雨や地震などの災害で『崩れるもの』と思っておいた方が良いと教えられたことがあります。
森林作業道上での作業が多いので、「いつ崩れてもおかしくない」という意識を持っていないと危険だということです。
山を掘ったり、削ったりする上で、『土の質』を知ることが重要と何かで見た覚えがあります。#何かで読みました
岩ひとつでも、「どういった性質の岩」なのか、崩れやすい土の質なのか、補強が必要なのか、などなど、『道を作る側』の人は、その道の上で作業をする人たちのことを考えて道を作ることがお仕事です。
僕の所属する会社では、『道を作る人』と『道の上で作業する人』の意見が噛み合っていない様子を何度も見かけたことがあるのですが、情報共有の大切さを感じる部分であります。#なんとかしたい
中には、自分たちの作業に必要な道を自分たちでつけて作業をする班もいて、必要最低限の道で済むので効率が良いような気がしますね。
作業道に砕石や砂利を敷くのはなぜ?
この答えは先ほども書きましたが、「砕石を敷く理由」などで検索してみると『地盤の安定化』などの文言を目にします。
砕石にも粒の大きさでたくさん種類があるみたいで、用途によって粒の大きさを変えるそうです。
砕石同士が噛み合うことで、路面を固めることが出来るそうです。
砕石を敷くかどうかの判断基準を考えてみました。
・トラックが走行するかどうか
・地面の固さ
・使用期間の長さ
今までの現場を振り返りながら、ひとつひとつ見ていきましょう。
・運搬トラックが走行するかどうか
大型のトラックが走行する道を『林業専用道』と呼ぶ、というのを今回調べてみてはじめて知りました。
山の現場で切った材を運搬するには『運搬トラック』が必要になります。
トラックが何度も往復するような道の場合、土がむき出しの道のままだと雨が降ってぬかるんでしまうので、トラックの走行に支障をきたすことがあります。
そういった道に砕石を敷くことでタイヤのスリップを防いだり、地面が沈んだり崩れたりするのを防ぎます。
作業面積の大きい現場では、作業道が長く、たくさん枝分かれしているところもあります。
そういった現場は、主な道(車の移動が多い道)には砕石が敷かれていて、枝分かれした細かい道は砂地のままになっていることが多いです。
車が走る主な道は『林業専用道』で、枝分かれした細かい道には重機しか入っていかないので『森林作業道』とこれからは分けて考える事が出来ます。#知らないことを知る楽しさ
・地面の固さ
車が移動することがなく、重機しか通行しない作業道には砕石を敷いていることは今までの現場ではほとんどなかったように思います。
作業道の中で、大きなカーブや水が流れてくるところなどは、何度も往復していると、どんどん道がぐちゃぐちゃになってきます。#常にどろどろ
地面がゆるい、そういった箇所には『丸太』が埋められていることが多いです。
道をつけるためにあらかじめ切り倒しておいた木を使って、地面の脆いところなどを補強しているのをよく目にします。
・使用期間の長さ
一度つけた道を長期間使用する予定の場合、雨や地震で道が崩壊してしまうのを防ぐために砕石を敷く、というのも理由のひとつかもしれません。
『壊れにくい作業道に向けて ~山ずりを活用した道づくり~』という資料を見つけました。
山ずりは礫の粒径が 0~200 mm程度の大小の礫が混ざった無規格な石材です。
引用:『壊れにくい作業道に向けて ~山ずりを活用した道づくり~』
『山ずり』という種類の砕石を使うと、長期間でも道が崩れにくいそうです。
砕石などを敷かずにつけた道は大雨が降ると簡単に崩れます。
実際に崩れた道を何度も見ましたし、その崩れた道を直すために数日別の現場で作業をしたこともあります。
『壊れにくい作業道』というのは、「その道の上で作業をする人」にとっては安全面でとても重要なポイントであるのは間違いありません。
費用の面でも、「何度も修正が必要な道」より「壊れない道」の方がいいですよね。
#当たり前の話だけど、そこをケチったり、適当な道つけをするから崩れるのです
まとめ
『作業道に砕石・砂利を敷くのはなぜ? 』まとめ
・大型トラックが通行する道を『林業専用道』、主に林業機械が通行する道を『森林作業道』と呼びます。
・車が通行しやすいように、『林業作業道』には砕石を敷く
・砕石を敷く理由は『地盤の安定化』
・砕石にはたくさん種類があり、用途によって粒の大きさなどを決める。
・森林作業道は『山を削ってつけた道』なので、「いつ崩れてもおかしくない」と意識しながら作業をすることをおすすめします。
・『壊れない作業道作り』が安全面でも費用面でも重要
同僚からの質問に興味を持ち、調べてみた結果、新しい発見がありました。
今回調べてみたことは、もちろん同僚にも情報共有します。
「そういえばこれってなんで必要なんだろ?」と仕事中になんとなく浮かんだ疑問なんかを調べてみると面白い発見があったりするので、試してみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回はこのへんで!ほなまた!!
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