急傾斜地作業、ゴンドラ作業、落石…。いろんな経験が出来る現場に行ってきた。
どーも、新米林業屋のとておです!
今回は【急傾斜地作業】などについて!
先日、バイパス道路工事のための伐採作業に参加してきました。
クレーンで吊ったゴンドラに乗っての作業や、急傾斜地での作業など、伐採面積が狭い割に、過酷で危険な作業ばかりでした。
新しい作業ではあったので、色々勉強になりました。
急傾斜地での伐倒作業
バイパス道路工事の際に邪魔になる木を切り倒す作業を行いました。
道路自体はほとんど出来ていて、トンネルとトンネルの間の区間を作業しました。
仮の橋が架けられていて、その橋の周りの木を切るわけですが、とにかく急傾斜地で、ロープが無ければ登ることも出来ないくらいの現場でした。
チェーンソーなどの道具を抱えて作業場所にたどり着くまでが大変。
片手にチェーンソー、片手でロープをたぐりながらよじ登る。#ヒョロヒョロの腕が悲鳴をあげていた #ファイトー!いっぱーっつ!の世界
切り倒す木はかなり太めなヒノキ、傾いたナラ木、腕の太さくらいの雑木たち。
伐倒木を仮橋に当ててはいけないため、伐倒方向が制限されます。
ただでさえ足場が悪いのに、伐倒方向も制限されるという、新米林業屋には荷が重い作業でしたが、経験のために切れる木はなるべく切らせていただきました。
失敗すれば確実に橋に当たるくらい高さのあるヒノキ。
橋に当たらないように山側に向かって伐倒。
今までの現場では、『山側に伐倒』というのはほぼ経験したことがありませんでした。
山の上側から下側に向かって伐倒するのが基本で、木の重心が上側に傾いているときくらいしか『山側・上側』に伐倒することはなかったのです。
『チルホール』という牽引道具を使って伐倒作業を行うのかと思っていたのですが、
クサビで十分倒れるよ!大丈夫!
と、言われたので、クサビで挑戦。
伐倒作業は『受け口』を作って『追い口』を切ります。
受け口・追い口などの解説を画像付きで書いている記事があるので、リンクを貼っておきます。#きこりやろうさんの解説はよく参考にさせていただいています
『追い口』を切っていく際にクサビを打つ事で、山側に倒したり、重心の傾きと反対方向に倒すことができます。
最終的に木を切り倒す際の『追い口切り』は、切り過ぎるとどこに倒れるかわからなくなってしまうので大変危険です。
特に、木の重心の反対方向や山側に倒す際は、かなり慎重に切り進めないといけません。
とておくーん!追い口切り過ぎないでねー!!
絶対に切り過ぎないでねー!!
と、橋の上から何度も念を押されました。
というのも、別の現場で同じような状況の際に、追い口を切り過ぎてしまったがために、あわや大事故、というヒヤリハット事例があったそうです。#ヒヤリハットについての記事はこちら
追い口を良い塩梅で切り、クサビをハンマーで叩く。
大・中サイズのクサビを打つが倒れず…。
先輩のクサビを1本借りてなんとか伐倒完了。
この1本を切るだけで一日の仕事を終えたような気分になりました。#緊張感半端ない #まだ午前中
お次は、下側に大きく傾いた枯れた松などの伐倒作業。
大きく傾いた木の伐倒は、何も考えずに切り進めると、木が裂けて大事故になります。
こういった場合の切り方として『追いづる切り』という方法があります。
『追いづる切り』も詳しく解説されている記事がありますので、リンクを貼っておきます。#きこりやろうさんの記事好きです
急傾斜地に立っている木は、木の重心が極端に傾いていることが比較的多く感じます。
ただ立っているだけでも大変な急傾斜地で万が一木が裂けてしまうと、急いで逃げることが難しいので、手間と時間をかけてでもなるべく確実な伐倒方法で、なるべく安全な処理を心掛けています。
「なるべく」というのは、どんなに気を付けていても「木を切る」というのは危険な行為に変わりありません。
ですので、常に「何かが起こるかもしれない」と考えながら作業を行うのが、より自分の身を助けてくれるのではないかと思います。#横着をしたときに事故は起きます
ゴンドラでの作業
伐倒作業が終わった後は、ゴンドラに乗って邪魔な枝を切り落とす作業を行いました。
クレーンで吊り上げたゴンドラには、ベテラン作業員さんと僕の二人が乗り、ベテラン作業員さんが切った枝を僕が受け取り、後で回収しやすい場所に投げ込む、という作業でした。
はじめてゴンドラに乗ったのですが、独特の浮遊感を味わうことが出来て、正直楽しかったです。#アトラクション的な楽しさ #危ないけど
切り落としたい枝のところまでゴンドラで運んでもらうのに、上部の枝が邪魔をして、クレーンで吊っているワイヤーに干渉していました。
その干渉していた枝が外れた瞬間の揺れにはさすがに声が出てしまったのですが、無事に作業を終える事が出来たので一安心。
枝の処理が終わった後は、伐倒した木を拾い上げるために再度急傾斜地へ。
落石注意!!
今回の現場は、『急傾斜地+崩れやすい岩が多い』という環境でした。
足を乗せたそばから地面が崩れてしまうので、移動には苦労しました。
下方で作業をする際に、上から岩が落ちてくると危ないので、あらかじめ崩せるところは先に崩しておいて、『荷掛け作業』に入りました。
『荷掛け作業』は、切り倒した木をクレーンで吊り上げるために、ワイヤーで吊り上げる木を縛る作業です。
この荷掛け作業の際に、少し痛い思いをしました。
次に吊り上げる木にワイヤーを縛っていた時、急に左足に激痛が走りました。
そうです、落石です。
上から降ってきた石が左ひざあたりに激突。
少しの間動けず、その場でうずくまってしまいました。
痛みが治まった後、上の方を確認したのですが、落石が発生したであろう場所に干渉している物がなかったので、おそらく、先ほどまでに吊り上げた材が山に触れて、時間差で崩れてきたのだと思います。
荷を縛る前に上方確認をしていた分、なんだか悔しい怪我となりました。
幸い、少し痛みが残っただけだったので、ホッとしています。#患部は大きくムラサキ色になっていました
このように、まわりの状況を確認していたとしても、事故や怪我は発生します。
こういった際の上手い回避方法などがあればご教授していただきたいです。
「林業での事故を減らすには、林業を辞めること」みたいなのをSNSで見かけたことがあるのですが、本当にその通りだなー、と思うくらい危ない作業ばかりです。
とにもかくにも安全第一で、事故や怪我には気を付けていきましょう。
本日はこのへんで。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
本日もご安全に!ほなまた!
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