ヒヤリハット!谷から引き上げた木が落下…。
どーも、新米林業屋のとておです!
今回は最近起こした大失敗のおはなしです。
今回は失敗談です。
「こういう失敗や危険な事がありますよ」という情報共有・注意喚起と再発防止の自戒を込めて書いていきたいと思います。
このような失敗の無いよう、ご安全に!
皆伐作業中の失敗
現在、『皆伐(かいばつ)』という作業を行っております。
作業範囲内のほぼすべての木を伐採するという作業です。
切った木の回収方法は『スイングヤーダ』という重機を使った『スラックライン方式』という方法です。#用語ばっかりですみません
『スイングヤーダ』はワイヤーロープを使用して索を張り、木を集めるための機械です。
木を掴んだりするための『グラップル』がついているタイプです。
『スラックライン』というのは、ワイヤーロープの索張り方法の名前です。
索張りの方法は現場に合わせた方法を使用します。
『スラックライン』は主に急傾斜地で使用する索張り方法です。
急傾斜地での作業ですので、上の方から物が落下すると、ものすごい勢いで滑り落ちたり、転がり落ちたりします。
『急傾斜地での作業』というのが今回の失敗の原因のひとつでもあります。
引き上げた木はどうして落下したのか
今の現場のスラックライン方式はざっくりこんな感じです。↓↓↓ #絵が下手でごめんなさい
木はこんな感じで引き上げられます。↓
木を引き上げるためにくくったワイヤーロープとフックをはずすために索のテンションを緩めます。↓
このワイヤーのテンションを緩めた際に、木が落下しないことを確認した上でフックをはずしました。
引き上げた木を重機で掴んで移動するために、搬器が邪魔になるので、先にホールバックラインを巻き上げました。(ホールバックラインを上げると搬器が上にあがるので、重機で木を掴む隙間がうまれます。)
この時、巻き上げたホールバックラインが引き上げた木に干渉し、停止していたはずの木が動いてしまったのです。↓↓ #画力…。伝わりますように
急傾斜地のため、一度動き出した木は斜面に沿って、谷底まで一気に滑り落ちていきました。
その谷底には、荷掛け(木をくくる作業)をするための作業員が2名いました。
すぐに無線で「落下ー!!!」と叫びました。
作業員2名は退避していたので怪我人は出ませんでしたが、重機を操縦する手は震えていました。
ヒヤリハットとは
作業中など、怪我や事故にはいたらなかったけど、少し間違えば重大な事故になっていたかもしれない、というような「ヒヤッとした」とか「ハッとした」ことを『ヒヤリハット』といいます。
また『ハインリッヒの法則』というのもあります。
「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、その背景には300件の異常がある」という法則です。
この300件の異常というのが『ヒヤリハット』にあたるそうです。#僕は最近ハインリッヒの法則を知りました
今回の僕の失敗には、幸い、怪我や物損などはありませんでした。
僕の中では「ヒヤッとした」レベルではなかったのですが、状況としては『ヒヤリハット』に当てはまると思います。
今回のヒヤリハットの原因の洗い出し
今回の失敗の原因を自分なりに考えてみました。
・急傾斜地での作業
急傾斜というのはそれだけで危険です。
ただ歩くだけでも危険ですので、急傾斜地では何をするにも用心して作業するように心がけます。
・引き上げた木をよく見る
今回引き上げたのは『杉』です。杉は他の木に比べて枝が折れやすいそうです。
切り倒した際や引き上げの際に、ほぼすべての枝が折れてしまい、枝の無い状態で引き上げられます。
急傾斜地であっても、枝のついた木であれば落下しにくいのですが、今回の杉のように枝が無い状態だと、少しの衝撃で滑り落ちてしまいます。
引き上げられた木の状態をよく確認するようにします。
・ワイヤーロープの異常確認
今回の場合、ホールバックラインのワイヤーロープが木に接触していることを確認できていませんでした。
立ち位置によってはワイヤーロープが見えにくかったりするので、面倒でも移動して確認するようにします。
・「かもしれない」を強く意識する
「もしかすると、こうなるかもしれない」という危険予測の幅をもっと広げていけるように意識する。
この上記の確認事項などを済ませたうえで、それでも何か不安に感じるようなことがあれば、見落としがあるかもしれない。
とにかく少しでも不安な要素があれば時間がかかっても徹底的に潰しておくべきだ。と、強く感じました。
まとめ
今回のヒヤリハットのまとめ
・急傾斜地での作業はとにかく危険。なにをするにも注意が必要です。
・安全確認の徹底。異常はないか、確認もれはないか、など、とにかく安全第一で。
・「ヒヤッとっした」、「ハッとした」など、事故にはならなかったけど、危険を感じたことなどを『ヒヤリハット』といいます。
・ハインリッヒの法則
1件の重大事故の裏にはたくさんのヒヤリハットや、小さな事故が発生している。という法則。
今回の失敗では、本当に何も無くて良かったと感じています。
今後も同じ作業が続きますし、林業は常に危険と隣り合わせです。
今回のように『自分の失敗』を共有することで、少しでも危険を減らせればいいなと思っています。みなさまもどうかご安全に。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回はこのへんで!ほなまた!!
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