大事故!!『主索』が2回落ちました!
どーも、新米林業屋のとておです!
今回は【主索】のおはなし!
僕は現在、【皆伐】という作業を行っています。
少しだけ作業内容の説明をしていきます。#ちょっとだけお付き合い下さい
皆伐は、作業範囲内の木をすべて切り倒して、切った木を回収し、搬出する作業です。
木を回収するために【集材機】という機械を使用しています。
集材機の作業では、ワイヤーロープを張り巡らせて木を吊り上げます。
木を吊り上げたり、木を運ぶために【搬器】という道具も使います。
上記のような作業をするために、一番重要なのが【主索】です。
主索はとても太いワイヤーロープで、長さもあり、重量もあります。#数100kgの世界 #人力は無理
主索自体が重く、木を吊り上げるときに一番負荷がかかるワイヤーロープなので、『主索』です。
その主索が作業中に切れました。
この主索というのは、もちろんのことながら『絶対に切れてはいけない線』です。
主索の太さは、スキー場のリフトで使うワイヤーロープと同じ太さだそうです。
極太のワイヤーロープが上空から勢いよく降り注いでくるということなので、まともに当たれば即死だと思います。#いや、「思います」レベルじゃない
今回の事故を振り返りつつ、注意喚起になればと思います。#長い説明にお付き合いいただきありがとうございます #とはいえ、この記事はほとんど状況説明の回でございます
主索、1回目の落下
まずは一回目の落下について。
丸々一週間かけて【架設作業(ワイヤーを貼る作業)】が終わり、やっとのことで集材がはじまりました。#架設だけでとても時間がかかります
ちなみに、集材機を使った作業は今回がはじめてなので、大ベテラン2人が助っ人として参加してくれています。#実はここに問題がある
集材機が動き始めた初日は僕が運転手でした。
昨年、集材機の講習を受けてから、実際に運転をするのははじめてのペーパードライバーです。
エンストしたり、操作ミスをしたりと、集材機の運転は下手くそでしたが、初日の集材自体は上手くいっていました。
翌日、僕が【荷掛け(木にワイヤーをかける作業】を担当し、大ベテランの方と二人で荷掛け作業をしていました。
午前中は色々トラブルがありながらも数本集材することが出来たのですが、問題は午後に発生。
少し大きめの木にワイヤーを縛り、安全地帯まで退避完了、集材機の運転手に無線で合図を送り、集材開始。
木が少し浮き上がったところで、上空から太いワイヤーがいきなり降ってきました。#この時点では何が起きたかわかっていない
大ベテランさんが「切れた切れた!!」と大声を出して、はじめて何が起こったのかに気付きました。
集材機を操作している同僚も、僕と同じくペーパードライバーなので、何が起こったのか気付いておらず、チェーンソー作業をしていた他の作業員たちは、ワイヤーが切れたことに気付いてもいませんでした。
幸い、けが人は一人も出ておらず、垂れ下がったワイヤーロープを見て、隣にいた大ベテランさんは大きなため息をついていました。
主索が切れた原因は、大ベテランさんいわく、『ワイヤー同士の接触による断線』だそうです。
実は、架設の段階でワイヤー同士が接触してこすれ合うことがあり、それが原因だったのではないか、という判断でした。
そもそも架設の時にワイヤーが接触するという問題が発生したのが、【二人の大ベテランの作業手順の違い】が原因だと僕は解釈しています。
二人の大ベテランさんは、集材機を使った仕事を長年やってこられていたわけですが、同じ現場で作業をしていたわけではなく、それぞれが【親方】として作業をされていました。
ですので、基本的な作業は共通認識としてお互いに理解をしているのですが、細かい作業手順や、それぞれの作業方法に対しての考え方にズレが生じていました。
大ベテラン二人が別々の場所で作業をするとき、Aさんの指示で作業をし、Bさんのところに戻ると、「違う違う、そうじゃなくてこっちの手順でやって」的なことが多々発生していました。
お互いの仲が悪い訳ではなく、お互いの作業方法が間違っている訳でもなく、ただただコミュニケーション不足というだけで、こういった大きな事故に繋がるので、作業手順や、安全にまつわる大事なことは前もって、じっくりと話し合いましょう。#僕の身近にはミーティング嫌いな人が多すぎる
主索、2回目の落下
主索が切れてから2日かけて線の張り直し作業を行いました。
集材機が使えるようになり、1本目の木にワイヤーを巻いたところで、主索が垂れ下がりました。
今回は荷を吊り上げる前に主索が動いたので、大ベテランさんが「クランプがずれたんじゃないか」とのこと。
クランプは、主索を張り上げた状態で固定するための金具です。
クランプ以外の部分も異常がないか確認し、最終的にクランプを確認したところ、クランプのボルトが緩んでいました。
張り直し作業の際、クランプのボルト締め作業は僕が行ったのですが、「どれくらい締めればいいのか?」という締め具合に関してはわからないので、大ベテランさんに確認を取り、「これくらい締まっていれば大丈夫」とチェックをしてもらっていました。
僕としては、責任をなすりつけたいとかいう意図はありませんが、シンプルにどれくらいの締め具合が適当なのかがわからなかったので、きちんと大ベテランさんに確認を取り、「これで大丈夫」と言われたという事実があったので、「この大ベテランさん信用して大丈夫かなぁ?」と不安になりました。#めっちゃ不安
2度目の主索落下も、けが人は出ていないので、『良い勉強、良い経験になった』と振り返ることができますが、本当に大きな事故、怪我、命の危険に繋がることなので、今後も気を緩めることなく、作業に取り掛かりたいと思います。
集材機を使った作業はとにかく危険がいっぱいで、常に高い緊張感の中での作業となります。
必要な技術もたくさんあり、そのひとつひとつが高度な作業なので、慣れるまでにはたくさんの時間と経験を要します。
安全第一で作業を行う為に大切なことは、慎重に作業を行うことだけではなく、事前の打ち合わせや、情報共有といったスタッフ間のコミュニケーションも必要です。
今の現場ではそのあたりがないがしろにされているような気がするので、大きな事故が発生する前に他の上司や、会社に相談を持ちかけたいところですね。
今回の注意喚起、情報共有がなにかのお役に立てれば幸いです。
それでは、本日もご安全に!ほなまた!!
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