どーも、新米林業屋のとておです!!
今回は『林業 やめとけ』について考えてみました!
『林業 やめとけ』の理由を考えてみた
『林業』と検索すると『林業 やめとけ』というのが「他のキーワード」として出てきます。
どういったところが「やめとけ」にあたるのかなぁと、自分の経験や他の人の記事やSNSでみたことなどをまとめて、改めて考えてみようと思いました。
僕個人としては、「林業はやめておいた方が良い」ということは全く思わないし、やるかやらないかは結局本人次第だと思っていて、
「林業に興味がある」とか「林業に転職しました」という方の少しでも力になれればと思い、情報発信をしています。
林業に対するイメージと、実際の現場などでのリアルを「新米林業屋」の視点でお伝えできればと思います!
結論、『お仕事はなにを選んでも大変っす!』ってことだと思います。
林業の危険度はうわさ通り?
『林業 やめとけ』の一番の理由としてはやはり『危険度が高い』からだと思います。
怪我をするだけでなく、命の危険が常についてまわります。#ほんとに危ないことだらけ
幸い、自分が林業に携わってから、身の回りでの死亡事故は発生していません。
ですが、かなり大きめの事故は数件発生しています。
チェーンソーでの事故や製材所での事故など、入院や手術が必要なレベルの事故です。
僕自身、何度も身の危険を感じています。#運よく回避出来てます
作業の中で危険なポイントは本当にたくさんあるのですが、実際に身近で起こった事例をいくつか挙げておきます。
チェーンソーでの怪我、事故
林業と言えば『チェーンソーで木を切る』というのが一般的なイメージだと思います。
そのイメージ通り、チェーンソーの使用率はとても高いです。
チェーンソーは木を切る機械なので、人体に触れればどうなるかは想像するまでもないと思います。#絶対に想像したくない
実際に自分の会社でも『足を切る事故』が発生しました。
原因は『防護衣』を着ていなかったからです。
『防護衣』 は「チェーンソーを使う際は必ず着用」と法令で決められています。
それくらいチェーンソーでの事故が多いのと、事故を起こした時のダメージが大きいからです。
『防護衣』 を着けずに怪我をした場合、『法令違反』になりますので、労災保険や保障などが受けられない可能性があるだけでなく、罰則を受ける可能性もあります。
決められたルールをしっかり守ることで、自分の身を守ることが出来るので、ここはしっかりと守りましょう。
切った木が倒れてくる
チェーンソーなどで木を倒すときの危険度は作業の中でもトップクラスで高いです。
大きな事故の大半が木を切るときの事故だと思います。
年齢が高い大きな木などは、枝も太く、折れた枝が落下してぶつかっただけで大きな事故につながります。
狙った方向に倒せるようにならないと、自分に木が倒れてきたり、仲間の作業員に倒れたり、本当に危ないです。
僕が今の会社に入ってから実際にあった事故としては、「倒した木が作業車にぶつかる」という事故がありました。
「車の位置が作業範囲からそこまで離れていなかった」のと「切った木が上の方で裂けた」というのが原因だったそうです。
「倒した木がどうなるかわからない」というのを頭に入れておいて、何度も何度も安全確認をすることが大事です。
危険なのは作業だけじゃない『ハチ刺され』
危険なポイントは作業だけでなく、自然を相手にしているので、虫や動物による怪我もあります。
イノシシやマムシは作業中に見かける事はしばしばあります。#森の中で大きな黒いものが動くとヒヤッとします
実際に被害にあったのを間近で見たのは『ハチ刺され』です。
スズメバチなどはそもそも猛毒を持っているので危険ですが、刺された際のショック症状が合わせて危険なポイントです。#僕は奇跡的に刺されたことがありません
一緒に作業をしていた同僚が刺されたのですが、患部が大きく腫れ、「鈍器で殴られたような衝撃」と言っていました。
幸いショック症状はありませんでしたが、翌日は大事を取ってお休みになりました。
おどしているつもりはないのですが、林業は危険度がめちゃくちゃ高いです。
チェーンソーや刈払い機は高速で刃物が回転しているので、それを使用するだけでとても危険です。
木を倒す際は少しの油断も出来ないし、『作業道』はいつ崩れてもおかしくないと思って移動しています。
個人的には、『ビビりな性格』の方が事故の可能性が低くなるかと思っています。#僕はビビりです
どんな作業も慎重に、「いつなにが起こるかわからない」と身構えていられるほうが怪我や事故のリスクを減らせると考えているからです。
自分が怪我をしないことも大事ですが、『他者を傷つけない』ことも重要です。
自分の不注意のせいで、一緒に作業をしている人が事故にあうこともあるからです。
自分の不注意で自分が怪我をする分には自己責任で片付きますが、誰かを怪我させたとなれば話は別です。
作業の特別教育(チェーンソーやったかな?)で、自分の不注意で起こした事故で仲間の作業員さんが亡くなって、遺族の方とあーだ、こーだ、というドラマ仕立てのビデオを見せられましたが、あれが現実に起こるとなるとほんとにゾッとします。#僕はちょっと泣きそうになりました #車の教習所とかで見せられるドラマみたいなやつ
おどしているつもりはないのですが、林業は危険度がめちゃくちゃ高いです。これは間違いのない事実です。
林業の年収は高い?低い?
こちらのサイトでは林業の平均年収は『356万円』とのことでした。
年代別の平均年収の表も載っていますが、合っていると思います。
「危険度が高い割には…」って感じですよね。#ブーブー
ただ、あくまで『平均』なので、高い給与のところもあれば低いところもある。
技術の向上に集中して、会社への貢献度を高めていけば、『ちゃんとした』会社であれば、きちんと給与などに反映されると思います。#林業2年目の夏のボーナスには感動しました
SNSなどでは、『ちゃんとしていない』会社の話を見かけることが多いですが、「そういう会社もある」と頭の片隅に置いておいて、自分の入りたいと思っている会社がちゃんとしているのかそうでないのかは、結局のところ自分の目で確かめるしかありません。
あくまで僕の個人的な判断基準ではありますが、ここのポイントはチェックしておいた方がいいと思うところをいくつか挙げておきます。
給与形態
林業では『月給』や『日給月給』、『日給』など、色々な給与形態があります。
こちらのサイトにとても詳しく載っていたのでご紹介しておきます。#勉強になった
僕は『月給制』ですが、月給制の場合、雨の日でも通常出勤です。
人によっては有休を使用している場合もありますが、基本的には出勤です。
『日給制』などでは雨の日は休んで、土曜や日曜に振り替えるというところもあります。
僕の場合子供がいるので、「土日は休みの方がありがたいので、土日に振り替えが多々あるようなところはパスします。」
というように、それぞれの環境に合わせて、給与形態は確認しておいた方がいいと思います。
支給品の有無
『支給品の有無』に関しては、求人票に載っていたりします。
支給品のある会社であれば、チェーンソーなどの機械類は『“ほとんど”自分では選べないけど』無償で支給してくれます。#選べる時もあります
支給品のない会社であれば、自分の好きな機械や道具を選べますが、基本自腹購入で、『借り上げ料』や『燃料代』といった項目で給料に振り込まれます。
支給品がまったくない、という会社は少ない方だと思いますが、山の中での作業では汚れたり破れたり壊れたりが多いので、消耗品などの費用はバカになりません。#かなりの金額になると思います
山の中を歩く地下足袋や
防振手袋
レインウェア
ヘルメット
消耗品が支給されるかされないかで、手元に残る金額に大きな違いが出てくるので、しっかりチェックしておきましょう。
有休を自由に使えるかどうか
『給与形態』の部分とかぶりますが、有休を自由に使えるかどうかも判断基準のひとつとして頭に入れておいた方がいいかもしれません。
「雨の日は有休を使って休みなさい」と指示してくる『ちゃんとしていない』会社もあるとかないとか。
『有休』は労働者の権利なので、会社に指示されて使用するものではありません。
面接などで有休のことは聞きにくいかもしれませんが、返答次第では『ちゃんとしていない』会社かもしれないので、きちんと確認しておくことをおすすめします。
林業の作業に体力はどの程度必要か?
林業の作業は基本的には山仕事です。
チェーンソーや刈払い機を持って、燃料や水分などを担いで、延々と山の中を歩いて、やっとのことで現場に到着!ということも多々あります。#移動での体力消費が本当につらい
体力はもちろんあるに越したことはないですが、自分のペースで続けていれば、体力や筋力はそのうちついてきます。
ただ、体力・筋力がついてくるまでの間が大変なので、体力というより気力や精神力の方が大事かもしれません。
心が折れなければ、現場にはそのうちたどり着けるし、作業もそのうち終了します。
ですが、体力が尽きるより先に心が折れる事の方が多いのではないかと僕は推測しています。#筋トレの三日坊主に近い発想
しっかりと声をかけてくれる先輩や上司の方、一緒に頑張れる同僚などがいれば心強いですが、班のメンバー構成は運まかせなので、良いメンバーに恵まれなければメンタルが先にやられてしまうかもしれません。#これはどの会社、どの仕事でも一緒やと思います
林業の作業は基本的には山仕事なのですが、中には、家の敷地内の木を切る作業や草刈り、道路際の草刈り、施設の敷地内の木を切る作業などなど、山仕事以外にも仕事はあります。
ですが、「やりたいです!」と言ってやらせてもらえるとは限らないので、基本的には体力仕事だと思っておいた方が良いでしょう。
ちなみに僕の体力はどうかというと、そこそこあるほうだと思います。
自転車に乗ったり、散歩したり、身体を動かすのは苦手ではないので(得意でもない)、体力の点ではめちゃくちゃ苦労したという事はありませんでした。#作業自体が楽という意味ではないですよ #地獄のようにつらい作業もいっぱいあります
ただ、筋力に関してはからっきしなので、チェーンソーや刈払い機を使い続けるのは正直今でもきついです。#羽のような軽さのチェーンソー欲しい
ひょろひょろのもやしっこの僕でも体力の面では“まだ”もっているので、林業を続けるためには体力より気力・精神力の方が重要な気がしています。
人間関係は楽?ややこしい?
林業関係の記事などを見ているとたまに、「林業はほとんど人と絡まないから人間関係で悩むことは少ない」みたいな文を見かけますが、全然そんなことないですよ!と僕は思います。#人の悩みのほとんどは人間関係が原因『嫌われる勇気』
こちらの記事にも書きましたが、コミュニケーションスキルはあった方がいいと思います。
山の中の作業では、ひとりで黙々と作業が出来るのは事実です。
特に草刈りや、植えつけなどは黙々と誰ともコミュニケーションを取らなくても作業が出来ます。
ですが逆に言うと、コミュニティが狭い分、苦手な人と当たった時に逃げにくくなるということです。
「毎日毎日苦手な人と会話もせずに一緒に作業する」ということになる可能性もあるので、「人間関係で悩むことが少ない」とは限りません。
スキルアップや給与アップを目指しているのであればなおさら、色々な方と出来るだけコミュニケーションを取ることをおすすめします。
先輩や上司から盗める技術は盗んで、誰かを助けられるタイミングがあれば助けて、自分が困ったときは助けてもらう。
普段からしっかりコミュニケーションをとることで得られるメリットはたくさんあると思います。
自分の身の周りで実際に発生した人間関係のトラブルをいくつかご紹介しておきます。
先輩や上司から『教えてもらえない』
『教えてもらえない』トラブルは林業だけでなく、どの業界でもあると思います。
黙々と作業をするのが好きな人が上司になった場合、この『教えてもらえない』は発生しやすいかもしれません。
実際に、僕と同期の方は以前の上司からはほとんど何も教えてもらえなかったと言います。
『教わる側』にも問題があるのかもしれませんが、話を聞く限りでは上司の方に問題がありそうです。
怒鳴る、威圧する上司
怒鳴ったり、威圧したりする典型的なパワハラ上司タイプ。
先ほどの『教えてくれない上司』の方は『怒鳴るタイプの上司』も持ち合わせていたようです。
結構な勢いで暴言を吐くらしく、その地雷ポイントもわかりにくいそうです。
僕自身その上司の方とあまり接点がないので、実際にその現場を見かけたことはありませんが、噂というのは方々から飛んできます。#悪い事は出来ません
怒鳴るポイントがわからないから、聞きたいことがあっても聞けないというかなり悪い環境です。
こういう方には第3者に介入してもらった方が話は早いと思います。#各所に相談
悩みのほとんど原因は人間関係です。
ひとりだけでは生きていけないので、持ちつ持たれつ、助け合っていければいいなぁと思っています。
どんなお仕事も大変なお仕事です
『林業 やめとけ』の理由について色々考えてきましたが、きつい・きたない・危険の『3K』のうち、特に『危険』の部分が『やめとけ』の理由としては強いかなぁという印象です。
作業中は常に命の危険があるので、「林業じゃなくても働き口がたくさんあります!」という方でしたら他のお仕事の方がいいかもしれませんね。
『きたない』に関しては、山に入っちゃえばどうでもよくなるので、あまり気にしていないですし、他のお仕事でも汚れる事はあるでしょう。
『きつい』に関しては、続けることが出来れば体力は勝手についてくるので問題ありませんが、メンタルできつい場合は、早急に改善のアクションを取るか、早々と辞めることを選んだ方がいいかもしれません。
『人間関係』や『会社』の問題などは、どんな仕事をしていてもついてくるものです。
結局は自分の目で見て確かめて、自分で判断するしかありません。
どんなお仕事も大変なお仕事です。
林業に関しては『危険』が特に大変な部分ではありますが、やりがいはしっかりあります。
安全確認や必要なルールを守ることを徹底していれば、大きな事故につながる可能性は低くなります。
今回のこの記事が、林業に興味がある方や、林業に転職したての方へ、少しでも参考になれば幸いです。
今回はこのへんで!!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ほなまた!!
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