ベテラン作業員による『部下・後輩の育成放棄』について
どーも、新米林業屋のとておです!
今回は【部下・後輩の育成放棄】についてのおはなし!
林業に限った話ではありませんが、「仕事は見て盗め」や「ちょっとは自分で考えろ」などと上司や先輩に言われたことってありませんか?
もちろん自分で色々な物事について考えることは重要なのですが、「わからないことはわからない」ときちんと相手に伝えて、「教えて下さい」と素直に聞くことも同じく重要だと思います。
ですが、林業界ではまだまだそのあたりの感覚が鈍い方が多いのかもしれない、と感じます。#あくまで僕の周りでの話
仕事をより確実に、より丁寧に、より効率よくするために、わからないこと、知らないことをなるべく無くしていくことが立場に関係なく必要なことだと思います。
今回はそういったことについて書いていこうと思います。
教わる側は本気で教わる、教える側は本気で教える
めちゃくちゃ当たり前の話をしますが、自分の知らないことを尋ねたときにめんどくさそうに返答されるとやる気はなくなりますよね?#僕だけですか?
やる気がなくなるだけで済めばいいのですが、「この人に聞いてもめんどくさがられるから聞かないでおこう」となってしまい、わからないことをわからないまま、『なんとなく』で仕事をしてしまいミスに繋がる、なんてことも起こる可能性はあります。
ですので、『尋ねる側』は何がわからなくて、何を教えてほしいのかをしっかり伝えられるように努力をし、『教える側』はなるべく一度で相手にマスターしてもらうために丁寧に伝える努力をしたほうがいいと思っています。
「同じことを何度も聞くのはダメ」というのも間違いで、わからないことはわからないと伝えることが出来る『心理的安全性』が必要です。#この心理的安全性の確保が難しいのです
特に林業の作業では命に関わることもあるので、「わからないまま行動する」というのが、とにかく危険な行為だと認識しておきましょう。
とはいえ、同じことを何度も確認するのは効率が良いとも思わないので、『教わる側』も『教える側』もなるべく一度で問題を解決出来るような努力が必要だと思います。
最近あった出来事は、
〇〇を外して、△△を取り付けて、それから☓☓を動かして。
と指示をされました。
ただ指示通りに作業をすれば、もちろん作業は完了するのですが、その作業は今後も行うはずだと感じたので、自分一人で出来るようになったほうが効率がいいと思い、一連の流れの詳細を尋ねました。
〇〇を外したあとに△△を取り付けるのはなんでですか?
△△が◎◎で※※だから△△がいるねん!
と、ちょっとめんどくさそうに言われました。
僕自身、『◎◎』も『※※』も知らないことだったので、さらに尋ねました。
上司の方はめんどくさがりながらもしっかり教えてくれました。#ちゃんと教えてはくれます
結果的にその作業の内容を深く知れたし、次回からは一人で出来ると思えるようになりました。
めんどくさそうに返事されたときは「めんどくさがんなよー」と心の中ではブツブツ言いましたが、また別の機会に尋ねるのもめんどくさいし、効率が悪いと思ったので、めげずにツッコみました。#めんどくさがられるとこっちもめんどくさくなる
このやり取りも最初から、
〇〇を外して、△△を取り付けるときに、◎◎を※※にしてから△△を取り付けると☓☓を動かしやすくなるからね〜。
と、相手がわかりやすいように伝える努力をしていれば、作業自体がとてもスムーズに完了し、さらに次回からは教えた相手に任せられるようになるはずです。
わからないことを教わるときはなるべく一度で吸収出来るように集中して、相手に教えるときはなるべく一度で伝わる努力をして、もし伝わらなかった場合は「自分の伝え方が悪いのかもしれない」ということも考慮しつつ、相手に『心理的安全性』を確保してあげる。
そういったお互いの向上心がぶつかり合うことで、より高いスキルが身につき、より速くステップアップが出来るのではないかと思います。
今回のケースの場合、「めんどくさがりながらも教えてはくれる」というところが大事で、「聞いたことには答えてはくれる」ということがわかりました。
問題は、「尋ねたことに答えてくれないケース」です。
ベテランによる部下・後輩の育成放棄が一番の問題
実際にウチの職場にいる「仕事は見て学べ」的な発想の方は積極的に後続を育てようとはしません。#と、周りの方々からの証言がありました #そもそも見て学べとも思ってないかも
僕たち『新米林業屋』は「わからないことがわからない」からスタートしていますので、まずは仕事を教えてくれないとどう動けばいいのかがわかりません。
経験をたくさん積んだベテランさんも『新米』、『初心者』だった頃があるはずなのに、そんなことは記憶の片隅にも残っていないといった感じで、部下・後輩の『育成放棄』をしています。
実際に僕が目の当たりにして驚愕したのは、ベテランさん(別の作業班の班長)が自分の作業ノルマが片付いたあと、後輩たちを残して車で寝ていたことです。#『班長手当て』もらってるはずなのに
林業は事故や怪我がつきものなので、なるべくなら一緒に作業を開始して、一緒に作業を終わらせないと、何かが起こった時の対処がどうしても遅れてしまいます。
新人作業員の方が作業が遅れていても気にすることも無く、そのベテラン班長は車で寝ている。
そんな状況を見て、そのベテラン班長と仕事をしたことがある同僚にひとつ質問をしてみました。
例えば、新人作業員さんが業務終了時間に戻ってこなかった場合はどうすると思いますか?
あのベテラン班長さんなら他の人に任せて、時間が来たら普通に帰ると思いますよ。
マジっすかぁ…。
あくまで、『例えば』の話であって、実際にその状況になったときにベテラン班長さんがどのような判断を下すかはわかりませんが、問題は『信用が無い』ということです。
普段の行動の積み重ねによって、仲間からの信用が無くなっているというのが、同僚と会話をしているとヒシヒシと伝わってきました。
そんな状況で楽しく仕事をするなんてことは厳しいだろうなぁと思い、なんとか出来ないかなぁと思考を巡らせています。
それは、今後入ってくるかもしれない後輩たちのためで、この状況、空気感の中に元気のある若手が活躍している姿がこれっぽっちも想像できないからです。#絶望しか無い
今回のは一例に過ぎませんが、『部下・後輩の育成放棄』が他の現場や他の会社、あえて主語を大きく言えば林業界全体で起きているのではないか?と疑ってしまうような出来事だと僕としては危機感を抱いています。
こういった現状を打開するには、やはりコミュニケーションが大事だと思います。
新型コロナウイルスの蔓延により、積極的なコミュニケーションが難しい状況ではありますが、とはいえ時間は流れ続けています。
なにもせずに諦めてしまえばベテラン作業員さんと大して変わらない思考になってしまうので(#それだけは絶対に嫌)、ポジティブに少しずつでも進んでいきたいと思います。
みなさんの職場はいかがでしょうか?
『部下・後輩の育成放棄』が日常的に行われていませんでしょうか?
『担い手不足』の解決や『楽しく働ける環境』を作るためにも、『育成放棄問題』は解決すべきだと僕は考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考になれば幸いです。
それでは本日もご安全に!ほなまた!!
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