【「山林相続」の記事を読んだら絶望しか感じなかった…】
どうも、新米林業屋とておです。
新米林業屋の僕が林業についての情報や仕事や子育て、人生について考えていることや感じていることなどをお話ししています。
【山林相続の落とし穴】という大きいタイトルが付いた記事を読んだんですけど、結構絶望しかないというか…。
やっぱり山を所有したりとか、その所有した山をどういう風に受け継いでいくのかっていうのは かなり難しいし、お金がとにかくかかる。お金がかかるのにもかかわらず、その土地の価値っていうのがそんなに高くない。
山を持っていてもそんなに大きなメリットを得られるわけではない。っていうのがこの記事を読んで感じた率直な感想ですね。
この記事のタイトルは「【山林相続の落とし穴】二足三文とは限らない…損する山とトクする山はここが違う!」っていうタイトルなんですけど、「損する山と得する山はここが違う」って書いてあるんですが、この記事の中では「こういうふうにしたら山は得しますよ!」っていう文言が全然出てこないんですよね。
「もう損しかないやん!」っていうような記事なんですよね。逆に言えば、「こういう山は損するよ」とか「こういう山の管理をしていると損するよ」というのを理解して、「それをしなければ得するよ」っていうことなのかもしれないけど、基本的には、山を所有することへのネガティブな印象を強く感じるような記事でした。
山林相続に関しては僕も以前に他の記事とかを見たり、相続に関して調べたりしたことがあったので、本当にメリットがない、今この現代において山を所有することのメリットって本当にないなって、つくづく感じさせられるというか。
一番はその山で育てている「木の価値」っていうのが本当に高くないので、安いから、その木を切って山から運び出して売っても赤字なんですよ。
とにかく山の中での作業は赤字になるみたいなんですよね。国からの補助金とかでなんとかなる ような感じですよね。
山の所有者さんがもう全部自費でやるってなると、とてもじゃないですけど黒字に持っていくことは難しいんじゃないかなと思います。
補助金とかがあって初めてようやく黒字になるのかどうかって感じだと思うのですが、細かい数字は現場の人間の僕としてはちょっとわからないところではあるんですけど。
大変なのは、道をつけないといけないわけですよ。切った木を運び出すための道ですね。
トラックが入る道、大きい重機が入る道、とか。その道を入れるのがまず大変。
自分が持っている山がてっぺんの方だったりした場合、そこまで道が通っていなければもうほぼ詰んだような感じになっちゃうんですよね。
そこから運び出す方法がない。「道入れればいいじゃん」って思われるかもしれないんですが、その道を入れるために、他の山の所有者さんに確認を取らないといけないですよね。そこの土地を持っている方が別にいらっしゃるわけなんで。
他の山の所有者さんたちに1件1件連絡をして、「ここにこういう道を入れないと木が出せません」っていうような交渉をしていかないといけないわけですよね。それがまず大変。
うまくいくかどうかもわからないですし、山の所有者さんがもしわからない場合、探し出すのも大変。
いろんなところに許可をとって、やっと道をつけられるのですが、道をつけるためにもお金はいるし…。なんとかそこまでやって、頑張って頑張ってやっと木を出すってなっても、そこから出す木に価値がなかったらお金にならないんですよね。
本当に「山を所有する」ってかなりデメリットしかないというか。
で、「山林相続の落とし穴」っていうタイトルの記事なので、落とし穴が書いてあるわけなんですが。
山林を管理するっていうのはすごく大変だし、お金がかかると。だから相続したくないわけですよ。でもなかなかそう簡単には相続を放棄することっていうのはできないんですよね。
相続を放棄することはできるんですけど、「山の管理だけはしたくない」っていうのは無理なんですよね。
相続を放棄するっていうのは、「プラスの資産もマイナスの資産も全部ひっくるめて放棄します!」なんですよ。
山を持つと固定資産税があったりとか、結局山を持ってたってお金にならない。で、自分が所有している山の木が倒れたりとか土砂崩れとかが起きたりとかで、他の方に迷惑をかけた場合、賠償責任っていうのはその山の所有者にあるので、リスクが結構あるんですよね。
だから山の管理”だけ”放棄したいんだが、その他のプラスの資産も全部放棄しないといけないわけですよ。
だから「山だけ相続しなきゃいいじゃん」っていうのができないっていうのが本当に大変なところですよね。
例えば山以外にすごく高額な資産があった場合、それを相続したいなってなったら一緒に負の資産もついてくるっていうような感じですね。だから相続のときにトラブルが起こる。
これは山林関係なく「相続のときにはいろんなトラブルがあるよ」と、相続に関して色々調べてみるとトラブルは付き物ですよと。
その中でもやっぱり山の管理とか山を持つことっていうのはすごく慎重に考えた方がいいですよって考えさせられるような記事だなと思いました。
林業に従事しているものからすれば、山の木がなければ仕事にならないわけなんですが、山を持つことのメリットっていうのが、山主さんに本当にどれだけあるのかっていうのが常に考えるところです。
山主さんのメリットがあまりにも薄すぎないかなー?って僕が林業に入ってからずっと考えているかなと思います。山主さんのメリットね。
「山を持つとこういうメリットがありますよ!」って大きい声で言ってあげられるような内容が本当に一切ないなって思ってしまうんですよね。
どういう風にして成り立っているのかっていうのが本当に不思議だなって。林業の世界はね。本当に不思議だなって感じます。
山主さんのメリットを考えだすと本当に頭を悩ませるというかね。
今回の山林相続の記事を読んでも、明るい、ポジティブな部分っていうのが本当にない。絶望的な記事だったので。山林を相続するということに関してはね。
もう少し、いろんな仕組みが変わったりだとかしないと難しいんだろうな。山を持つこと。
山を持ちたいって思えるような仕組みじゃないとね。これからもっとどんどんどんどん山の所有者さんっていうのは減っていくんだろうなと僕は感じております。
山林相続についての記事、よかったら読んでみてください。今回はこの辺で。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。本日もご安全に!ほなまた!
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